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現代音楽の豆知識

2014.09.21

現代音楽の豆知識
作曲に関する賞
~どうやって自作を世に出すか?~
多くの作曲家の卵たちは、作曲活動だけでは生活できず、演奏活動(大抵の方が楽器演奏できるので、
アンサンブルの一員として演奏するなど)や、指導(楽器演奏/音楽理論・分析)、楽譜の出版会社で
働くなどして、「生計」を立てています。つまり、作曲家として成功するためには、きつい坂道を登り続ける
ように、創造力と情熱を枯らすことなく持ち続ける必要があり、うまくいけば死後何年かして「理解」ある
いは「評価」されるかもしれないし、されないかもしれない、という厳しい世界です。そうして「作曲家」と
して生き残れるのは、クラシック音楽界では、ほんの一握りに過ぎません。しかし、クラシック音楽の未来
を担っているのは、本当の意味で「作曲家」であることを、私たちは忘れてはいけないと思うのです。作曲家が新曲を制作したとして、どのようにすれば世の人々に聴いてもらえるようになるのでしょうか?

その一つの方法として、演奏家と同じくコンクールへの応募があります。うまく入賞することができれば、
賞金のほか、公開演奏会、楽譜の出版・録音などが約束された新作委嘱の副賞が与えられることもあります。

今回現代曲のリサイタルで取り上げる作曲家も過去の受賞者として名を連ねる賞をはじめ、代表的な
海外の賞やコンクールには、次のようなものがあります。

・ピューリッツァー賞 音楽部門
マリオ・ダヴィドフスキー(1971年受賞)
ジョン・アダムズ(2003年受賞)
・グロマイヤー賞 作曲部門
ジョン・アダムズ(1995年受賞)
カイヤ・サーリアホ(2003年受賞)
・ポーラー音楽賞
ヤニス・クセナキス(1999年受賞)
カイヤ・サーリアホ(2013年受賞)
・ローマ賞
スティーヴン・ハートキ(1992年受賞)
・グッケンハイム奨学金
マリオ・ダヴィドフスキー(1960年受賞)
スティーヴン・ハートキ(1997年受賞)
・アメリカ芸術・文化アカデミー賞
マリオ・ダヴィドフスキー(1965年受賞)
スティーヴン・ハートキ(1993年、2004年、2008年受賞)
・クーセヴィッキー音楽財団
ジョン・アダムズ:『Eros Piano』(1989年作曲)
カイヤ・サーリアホ:『Sombre』(2012年作曲)
・マッキム基金
ジョン・アダムズ:『ロード・ムーヴィーズ』(1995年作曲)
スティーヴン・ハートキ:『根付』(2011年作曲)
・エルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞
オルガ・ノイヴィルト(1999年受賞)
・ガウデアムス国際作曲賞
・ベルリン賞 音楽部門
・バーロウ基金
・フロム音楽財団
・チェンバー・ミュージック・アメリカ クラシック委嘱プログラム
・ニュー・ミュージックUSA
・カナダ芸術評議会 カナダ作品委嘱プログラム
・マクダウェル・コロニー
・コープランド・ハウス・レジデンシー賞
※各々詳細は後述

また日本では、日本音楽コンクール作曲部門、武満徹作曲賞、武生作曲賞、芥川作曲賞、尾高賞など、
既に他界された高名な作曲家の名前を冠するものも多く、また、音楽家全般を対象としたものに、サン
トリー音楽賞、出光音楽賞などがあります。

以下、海外の賞、コンクール、助成団体などの詳細です。

※エルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞(Ernst von Siemens Music Prize)
音楽のノーベル賞とも言われる。毎年、楽壇に多大な貢献をした音楽家に贈られる賞。1972年にエル
ンスト・フォン・ジーメンスによって設立。エルンスト・フォン・ジーメンス財団に代わって、ミュンヘン美術院
(Barvarian Academy of Fine Arts)から、毎年、計300万ユーロの賞金が授与される。その中の25万
ユーロがメインの「エルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞」受賞者(1名)に、残りの275万ユーロは、助成
プロジェクトや1990年から設けられた「作曲者賞」受賞者(3名)に贈られる。
歴代の作曲者賞受賞者には、ベアート・フラー(Beat Furrer)、トーマス・アデス(Thomas Adès)、オルガ・
ノイヴイルト(Olga Neuwirth)、エルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞受賞者38人の中には、作曲家のベンジャ
ミン・ブリテン(Benjamin Britten)、オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen)、ヴィトルト・ルトスワフスキ
(Witold Lutoslawski)、ルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio)、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(Hans Werner Henze)、
ジェルジ・リゲティ(György Ligeti)、ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)やジェルジ・クル
ターク(György Kurtág)がいる。

※ ピューリッツァー賞 音楽部門(Pulitzer Prize for Music)
ジョセフ・ピューリッツァーの遺志で設立された報道関係の顕彰制度として有名なアメリカのピューリッ
ツァー賞には、音楽部門があり、1943年から毎年、アメリカ人によって作曲され、アメリカで初演または
録音された作品を対象に1万ドルの賞金が授与されている。最近では、ジョン・ルーサー・アダムズ
(John Luther Adams)の『大いなる海になれ(Become Ocean)』(2014年) 、キャロライン・ショー
(Caroline Shaw)の『8声のパルティータ(Partita for Eight Voices)』(2013年)、ケヴィン・ウィッツの
歌劇『サイレント・ナイト(Silent Night: Opera in Two Acts)』(2012年)が受賞。過去には、アーロン・
コープランド(Aaron Copland)の『アパラチアの春(Appalachian Spring)』(1945年)、チャールズ・
アイヴズ(Charles Ives)の『交響曲第3番(Symphony No. 3)』(1947年)、マリオ・ダヴィドフスキー
(Mario Davidovsky)の『ピアノと電子音のためのシンクロニズムス第6番(Synchronisms No. 6 for
Piano and Electronic Sound)』(1971年)、ジョン・アダムズ(John Adams)の『魂の転生(On the
Transmigration of Souls)』(2003年)が受賞。

※グロマイヤー賞作曲部門(The Grawemeyer Award for Music Composition)
1984年にH・チャールズ・グロマイヤー(H. Charles Grawemeyer)が母校のルイヴィル大学(アメリカ、
ケンタッキー州) に設置した賞。グロマイヤー自身は化学技術を学んだが、音楽学部長のジェリー・
ボール博士(Jerry Ball)に音楽分野の賞を設立するアイディアを提案。幅広いジャンルの現役作曲家の
作品を対象とする。ヴィトルト・ルトスワフスキ(Witold Lutoslawski)の『交響曲第3番(Symphony No. 3)』
が1985年に受賞。ルイヴィル大学の教授陣、国際的な専門家、専門家ではないが精通している
審査員による3段階の審査によって選考。世界の秩序を改善するためのアイディア部門、教育部門、
宗教部門、心理学部門の4部門が加わり、現在5部門。900万ドルの資金を元に、最も高額賞金が授与
される賞で、設立当初は15万ドルの賞金だったのが、一時期20万ドルに上がり、2008年の株価大暴落
以降は10万ドル。最近の受賞者は、カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho)の『彼方からの愛(“L’Amour de Loin”)』、
ミシェル・ファン・デル・アー(Michel van der Aa)の『Up-close』、エサ=ペッカ・サロネン(Esa-Pekka
Salonen)の『ヴァイオリン協奏曲(Violin Concerto)』やルイ・アンドリーセン(Louis Andriessen)の『La Commedia』。

※ポーラー音楽賞(Polar Music Prize)
ポーラー音楽賞は、1989年にスティグ・アンダーソン(Stig“Stikkan”Anderson)(世界的なスウェーデン
の音楽グループABBAのマネージャー、出版者、作詞家)が設立した国際的な賞。スウェーデン王立音楽
学校への寄付により、現代音楽(ポップス)とクラシック音楽から一人ずつ、音楽界で著しい業績を上げた
人あるいは将来を担う人に授与される。スウェーデンの「ノーベル音楽賞」と言われ、その名前はアンダー
ソンのレコード会社、ポーラー・ミュージックに由来。受賞者は、100万スウェーデンクローネ(およそ15万
6,000ドル) をグスタフ国王より授与される。ポール・マッカートニー(Sir Paul McCartney)、ディジー・ガレ
スピー(Dizzy Gillespie)やクラシックの作曲家では、ヴィトルト・ルトスワフスキ(Witold Lutoslawski)、
ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)、カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)、
ソフィア・グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina)、ジェルジ・リゲティ(György Ligeti)、ヤニス・クセナキス
(Iannis Xenakis)やカイヤ・サーリアホなどが受賞。

※ローマ賞(Rome Prize)
1894年ローマに設立されたアメリカン・アカデミー主催のコンクール入賞者に授与されるアメリカの賞。毎年、
作曲も含む様々な分野で活躍する15名の新進気鋭の芸術家と15名の学者に授与。結果はニューヨーク市
で発表。受賞者はローマのジャニコロ(Janiculum)の丘に建つアメリカン・アカデミーに招待され、アカデミー
やローマで研究、同業者との交流、文化交流などを奨励される。各受賞者は、食事・バス付きの研究室か
スタジオと、6ヶ月で1万6,000、11ヶ月で2万8,000ドルの奨学金が支給される。過去3年の受賞者は、
エリック・ネイサン(Eric Nathan)、ダン・ヴィスコンティ(Dan Visconti)、アンソニー・チャン(Anthony Cheung)、
ジェシー・ジョーンズ(Jesse Jones)、シーン・フライアーズ(Sean Friar)、レイ・リャン(Lei Liang)。それ以前
には、ロジャー・セッションズ(Roger Sessions)、サミュエル・バーバー(Samuel Barber)、エリオット・カーター
(Elliott Carter)、スティーヴン・ハートキ(Stephen Hartke)、アーロン・コープランド(Aaron Copland)が受賞。

※グッケンハイム奨学金(Guggenheim Fellowship)
ジョン・サイモン・グッケンハイム記念財団(the John Simon Guggenheim Memorial Foundation)より、
芸術の分野で秀でた創造能力を発揮、活躍した人に贈られる奨学金。財団は前アメリカ上院議員サイ
モン・グッケンハイム夫妻が17歳の若さで1922年4月26日に早世した長男の思い出に設立したもので、
アメリカ市民かカナダ市民または永住者が対象のものとラテンアメリカとカリブ海地域の市民を対象とした
2種類のコンクールにより、毎年200名程度に贈られる。スティーヴン・ハートキが1997年に、マリオ・ダヴィド
フスキーが1960年に受賞。受給者により金額はまちまち。「キャリア半ばの奨学金」との位置づけから、
学生は対象外。上級の専門家が対象。

※ガウデアムス国際作曲賞(Gaudeamus International Composer’s Prize)
1945年に、ヴァルターA.F.マース(Walter A.F. Maas)によって、オランダのビルトホーフェン(Bilthoven)にある、
グランドピアノの形をした大邸宅内に設立されたガウデアムス財団が授与していた賞で、2008年からはガウデ
アムス財団が組み込まれたオランダ音楽センター(the Muziek Centrum Nederland)より毎年30歳以下の
若い作曲家一人に授与。ガウデアムス音楽週間の期間中に、5人のファイナリストが選ばれ、作品を発表。
週の最後のセレモニーで一人の優勝者が発表され、4,550ユーロの委嘱料で次回の音楽祭での演奏が約束される。

※ベルリン賞 音楽部門(Berlin Prize in Music Composition)
ベルリンにあるアメリカン・アカデミーからアメリカをベースに活躍する一人の作曲家に毎年贈られる賞。1994年
に設立されたアカデミーは、ベルリンの中心地にあり、アメリカとドイツの文化交流を奨励。奨学金は様々な学問
分野の専門家たちに贈られ、作曲もその一つ。ベルリンへの渡航費(往復フライト代)、住居、部分的な食費、
月に5,000ドルの奨学金が授与される。専門的に優れていることが選考基準で、アンドリュー・ノーマン(Andrew
Norman)、ケン・ウエノ(Ken Ueno)、アニー・ゴスフィールド(Annie Gosfield)やジーン・コールマン(Gene Coleman)
らが過去に受賞。

※アメリカ芸術・文学アカデミー賞(American Academy of Arts and Letters Awards)
1898年に文学、音楽、美術など芸術へのサポートするために設立されたアカデミーによる賞で、様々な分野で
クリエイティブな活動をしている芸術家に毎年贈られ、その中には作曲家をサポートする賞も複数ある。2013年には、
スティーヴン・バーク(Steven Burke)、トム・チプロ(Tom Cipullo)、ドナルド・クロケット(Donald Crockett)、カム
ラン・ インス(Kamran Ince)、アダム・ロバーツ(Adam Roberts)、アーサー・V・クレイガー(Arthur V. Kreiger)、
ダニエル・オットー(Daniel Ott)、ケイト・ソーパー(Kate Soper)、デイヴィッド・フルマー(David Fulmer)、テッド・
ハーン(Ted Hearne)、ジョシュア・コディ(Joshua Cody)、ステファン・ファイゲンヴァウム(Stephen Feigenbaum)、
パトリック・ハーリン(Patrick Harlin)、トニア・コー(Tonia Ko)、マイケル・リー(Michael Lee)、とエリザベス・オゴ
ネク(Elizabeth Ogonek)の16名が6つのカテゴリーで受賞。アカデミーのメンバーによる審査で選ばれ、7,500ドル
から2万ドルの範囲内の賞金と録音や出版のサポートを受けられる。

※バーロウ基金(Barlow Endowment for Music Composition)
1983年ミルトン・A・バーロウとグロリア・バーロウがユタ州のブリガムヤング大学に設けた作曲を奨励する賞。
毎年バーロウ賞、一般委嘱賞、LDS作曲賞、教育奨学金の4つの賞が贈られる。メインのバーロウ賞は作品編成
が指定されていて、2014年度はサキソフォン四重奏のための曲の委嘱に1万2,000ドル、2013年度は吹奏楽アン
サンブルのための曲に1万5,000ドルが授与。2013年度は、他にも一般委嘱賞とLDS作曲賞に9人の作曲家が
選ばれ、計6万ドルの委嘱料が授与された。LDS作曲賞は末日聖徒イエス・キリスト教会に関係する作曲家が対象。
バーロウ賞は作曲家自身が応募するが、一般委嘱賞とLDS作曲賞は作曲家のほかにも、プレゼンター、演奏者
でも応募できる。最近では、ナローン・プランチャルーン(Narong Prangcharoen)、フォレスト・ピアス(Forrest Pierce)、
クリント・ニーダム(Clint Needham)がバーロウ賞を受賞。

※フロム音楽財団(Fromm Music Foundation)
ポール・フロム(Paul Fromm (1906-1987))は、アメリカの最も偉大な現代クラシック音楽のパトロンの一人で、
ドイツに生まれ、幼少時にピアノのレッスンを受け、ストラヴィンスキーの『春の祭典』を聴いて、現代音楽に
目覚めたという人物。ナチスから逃れ、アメリカのシカゴに移住。1952年にフロム音楽財団を設立(その後、
財団は1972年にハーバード大学内に移転)。個人的に委嘱依頼をすることで作曲家をサポートしていたものの、
数が多くなり財団を設立した。これまで300以上の作品を委嘱し、ボストン交響楽団の夏の本拠地タングルウッド
のバークシャー音楽センターと長期にわたり関係を結び、委嘱作品の公開演奏の場もサポート。アメリカ市民または
アメリカに居住する作曲家であれば応募でき、選ばれると1万ドルの委嘱料と初演が約束される。2013年の
受賞者には、サミュエル・アドラー(Samuel Adler)、キャサリン・アレクサンダー(Kathryn Alexander)、クリスト
ファー・ブルーベック(Christopher Brubeck)、ライアン・チェイス(Ryan Chase)、アンソニー・チャン(Anthony Cheung)、
シーン・フライアーズ(Sean Friar)、デイヴィッド・ゴンパー(David Gompper)、ジョルジ・グロスマン(Jorge Grossman)、
ハック・ホッジ(Huck Hodge)、クルト・ローデ(Kurt Rohde)、クリストファー・シュター(Christopher Stark)、
チナリー・ウン(Chinary Ung)がいる。

※クーセヴィツキー音楽財団(Koussevitzky Music Foundation)
アメリカ議会図書館のセルゲイ・クーセヴィツキー音楽財団は1949年にロシア生まれの指揮者であるセルゲイ・
クーセヴィツキーによって、クーセヴィツキー音楽財団と提携して設立。クーセヴィツキーは1924年から1949年
までボストン交響楽団の指揮者を務め、バルトーク・ベラ(Bartok Béla)、アーロン・コープランド(Aaron Copland)、
オリヴィエ・メシアン(Oliver Messiaen)、イーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)などの作曲家に、新作の
委嘱をした現代音楽の擁護者で、新しい音楽の作曲家と演奏家への継続的支援を目的とし、財団を設立。毎年、
作曲家と演奏団体(室内楽アンサンブルやオーケストラなど)とが連携して応募。室内楽作品の賞金は1万2,500
ドルから1万7,500ドルの範囲で、室内楽作品の賞金は全額財団が支給するが、交響曲の賞金は2万ドルまでで、
マッチング・ファンド制によりオーケストラ側にも半分以上の資金提供を求める。2013年には、トリスタン・ミュライユ
(Tristan Murail)とヤーン・ワイアー(Yarn Wire)、カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho)とダ・カメラ・オブ・ヒュース
トン(Da Camera of Houston )、ロナルド・ブルース・スミス(Ronald Bruce Smith)、 とデル・ソル弦楽四重奏団
(Del Sol Quartet)、ケイト・ソーパー(Kate Soper)とアラーム・ウィル・サウンド(Alarm Will Sound)、ワン・チィエ
(Wang Jie)と作曲家連盟/国際現代音楽協会(the League of Composers/ISCM)が受賞。

※マッキム基金(McKim Fund)
W.ダンカン・マッキム博士(Dr. W. Duncan McKim)とアメリカ人初の女性コンサート・ヴァイオリニストとして
国際的なキャリアを築いたレオノーラ・ジャクソン夫人(Leonora Jackson)によって設立。彼女はヨーロッパと
アメリカをロンドン・フィルハーモニー管弦楽団やボストン交響楽団と一緒に演奏ツアーするなど活躍した後、
引退と同時にマッキム博士と結婚。マッキム夫妻は自宅でのコンサート開催、芸術作品の収集など芸術を
深く支援。マッキム基金は1970年にヴァイオリンとピアノのための音楽を委嘱・初演のために設立され、この
基金から60以上の作品が誕生。その中には、エリオット・カーター(Elliott Carter)、ウィリアム・ボルコム(William
Bolcom)、エレン・ターフィ・ツウィリッヒ(Ellen Taaffe Zwilich)、ジョン・アダムズ(John Adams)、スティーヴン・
ハートキ(Stephen Hartke)、最近では、ジョン・ゾーン(John Zorn)、セシル・テイラー(Cecil Taylor)、ハロ
ルド・メルツァー(Harold Meltzer)、セバスティアン・カリアー(Sebastian Currier)の作品が含まれる。

※チェンバー・ミュージック・アメリカ(Chamber Music America-CMA)クラシック委嘱プログラム
全米の室内楽演奏家と主催者を結びつける役割を果たす団体で、CMAのクラシック委嘱プログラムは室内楽
の新作にかかる費用(委嘱料、コピー代、リハーサルの謝礼など)をサポート。アンドリュー・W・メロン財団
(the Andrew W. Mellon Foundation)、アーロン・コープランド音楽基金(the Aaron Copland Fund for Music)、
チェンバー・ミュージック・アメリカ基金 (the Chamber Music America Endowment Fund)が資金を提供。アメ
リカを本拠地として活躍するアンサンブルが作曲家の資料とともに応募するが、三次審査を経て受賞できる
助成金額はアンサンブルの規模によって異なる。バング・オン・ア・カン・オール=スターズ(Bang on a Can
All-Stars)とタイヨンダイ・ブラクストン(Tyondai Braxton)の『Trems』(2012年)、ブルックリン・ライダー(Brooklyn
Rider)とレブ・リョーバ・ズービン(Lev “Ljova” Zhurbin)の『Culai』(2012年)、ジャック弦楽四重奏団(JACK Quartet)
とジェイソン・エカート(Jason Eckardt)の『Subject』(2011年)らが受賞。

※ニュー・ミュージックUSA(New Music USA)
新作の創作と演奏の促進を目的としたネットワークとサービスを提供。助成金提供とアメリカの現代音楽を
視聴できる場の提供も含めた、メディア活動の2つの事業を展開。2011年に、アメリカン・ミュージック・センター
とミート・ザ・コンポーザーの2つの組織の合併により創設。レジデンシーやコミュニティー・エンゲージメント
活動のほかに、年間145の委嘱または新作の初演を行い、15の録音を行う。作品のサンプルと共同者から
の誓約書を伴うプロジェクト計画の複数審査を経て受賞者は決まり、助成金額は250ドルから2万ドルまで。

※カナダ芸術評議会(Canada Council for the Arts)
カナダ作品委嘱プログラム(Commissioning of Canadian Compositions)

カナダのプロフェッショナルの芸術家と芸術関係団体に幅広く助成とサービスを提供する組織。音楽部門の
「カナダ作品委嘱プログラム」では助成金の支給により、カナダ人作曲家による新作の創作を支援。助成によって、
プロフェッショナルの芸術団体、演奏家、作曲家がコラボレーションすることを奨励し、年間最高2万カナダ
ドルが支給される。ジェームス・エーネス(James Ehnes)、ペンデレツキ弦楽四重奏団(Penderecki String
Quartet)、モントリオール・コンテンポラリー・アンサンブル(Ensemble Contemporain de Montreal)らが過去に受賞。

※マクダウェル・コロニー(MacDowell Colony)
作曲家でピアニストのエドワード・マクダウェル(1860-1908)とマリアン夫人によって、ニューハンプシャー州
の避暑地の彼らが所有していた山荘に設立。病中のマクダウェルは、生前、自分が創作活動に理想と考える
環境を芸術家に提供したいというアイディアを夫人に伝え、夫人が指揮を執り実現。財団に選ばれた芸術家は
スタジオ、3食付の宿泊施設を8週間まで利用できる。レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)、アーロン・
コープランド(Aaron Copland)らが過去にこのコロニーに滞在し、最近では、マイケル・アティアス(Michael Attias)、
ウェンディ・バートリー(Wendy Bartley)、ナタン・キュリエ(Nathan Currier)が利用。

※コープランド・ハウス・レジデンシー賞(The Copland House Residency Award)
毎年6人から9人のアメリカ人作曲家に贈られ、一度に一人、ニューヨークに保存されているコープランドの家に
滞在できる賞。国定歴史建造物に宿泊でき、時間的にもスペース的にも余裕が生まれ、創作活動に集中する
ことができる。コープランドの作曲家を支援するという遺志を継いで1998年に設立。受賞者は3週間から8週間
の滞在期間中、食事、家事、交通費などが支給される。